抄録
若狭湾で漁獲されたヒラメの口腔壁に寄生していた単生類の形態を記載し, 新種 Neoheterobothrium hirame と命名した。最も近縁の, 北米の Summer flounder に寄生する N.affine とは, 体主部が大きいことと体主部と固着盤を結ぶ峡部が短いことで区別された。腸管は体の中央部を前後に走る一対の主管と辺縁部を走る一対の管から成ることを初めて記載した。こうした腸管の構造は従来知られておらず, Neoheterobothrium 属固有の特徴と考えられた。同属の分類学的位置を考察し, 属を再定義した。