広島県水産試験場で継代しているアユ人工種苗3系統(累代系, 海産交配系および湖産交配系)の冷水病感受性を, 河川水に曝露した野外実験, 冷水病死亡魚との同居感染実験およびFlavobacterium psychrophilumを用いた注射感染実験により検討した。いずれの実験でも本実験で用いた海産交配系の死亡率は他の2系統よりも有意に低かった。しかし, 海産交配系と湖産交配系の間に非特異的生体防御能の差は見られなかった。この海産交配系は, 冷水病耐性系統を確立するために有用であることが示唆された。