2022 年 6 巻 論文ID: 2022-042
「フィジカルアセスメント講座〈実践コース〉」の受講者に対して研修会前後でアンケート調査を実施し,フィジカルアセスメント(PA)に対する受講者の変容について検証した.さらに,受講後のPAの実施状況を明らかにするための追跡調査も実施した.その結果,受講生15人のバイタルサイン測定手技の理解度は全項目で有意に向上した.また,受講後の追跡調査では15人中13人から回答が得られ,患者にPAを実践した受講者は4人(31%)で,実施内容は「全身観察」,「血圧の確認」が多かった.医薬品適正使用への関与については4人中3人が「薬の副作用防止」に関与できたと回答していた.一方,実践できていない受講者9名(69%)の主な理由として「実践できる環境下にない」や「実践する患者がいない」であった.以上より,本コースは薬剤師のPA実施において一定の教育効果が示唆され,受講後には受講生の約3割が実際にPAを実施していることが明らかになった.