2005 年 40 巻 3 号 p. 103-109
2000年から2003年の間に, 9株のフサリウム属菌が鰓黒を呈する日本の養殖クルマエビの患部から分離された。分離菌は, 形態的特徴から同一種と判断され, 無作為に選択された2株はクルマエビに病原性を示した。代表株はその詳細な形態的特徴から, F.solanicomplexと同定された。分子系統解析を試みた結果, 調べた5株はすべて単元発生で, 他由来のF.solaniとは異なった。今回の供試株と植物病原菌であるF.solaniは形態的にも, 分子系統的にも異なった。