抄録
1) 昭和48年の腎腫大症の流行が下火になった時点で,発病率と感染部位について調査した。 2) 外観所見および解剖所見で発病と判断されたものは0.7%で,昭和44,45年の19~25%より大きく下まわった。 3) 外観所見および解剖所見で健康魚と思われたが,組織標本から胞子虫のみいだされた,不顕感染魚が28%みられた。 4) この不顕感染魚における感染部位は75%のものが乳頭管から尿管へかけてで,46~47年の17%とはかなり異なった。 5) 流行の終息とともに不顕感染魚の増加が認められる。その理由について推論した。