2011 年 11 巻 1 号 p. 14-18
母斑基底細胞癌症候群(NBCCS,Gorlin 症候群)は骨格を中心とする小奇形と高発癌を特徴とする常染色体性優性遺伝疾患である.今回行った全国調査で311 例のNBCCS 患者が報告された.欧米の報告と比べて基底細胞癌の発症率が低く(38%),発症年齢も高い(37.5 歳)点が注目された.また,現在までに行った35 家系における責任遺伝子PTCH1 の解析の結果,32 家系(91%)で遺伝子欠失(5 家系)を含む何らかの遺伝子異常が検出された.