家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
特集:遺伝医療としてのMEN(多発性内分泌腫瘍症)
国内における多発性内分泌腺腫瘍症(MEN)の遺伝学的検査の現状と新しい治療法
内野 眞也伊藤 亜希子渡邊 陽子脇屋 滋子首藤 茂野口 志郎
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 12 巻 1 号 p. 7-11

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抄録

多発性内分泌腺腫瘍症1 型(MEN1)は,副甲状腺過形成・膵胃十二指腸神経内分泌腫瘍・下垂体腫瘍・副腎過形成・胸腺神経内分泌腫瘍などを発生する常染色体優性遺伝性疾患であり,原因遺伝子はMEN1 遺伝子である.また多発性内分泌腺腫瘍症2 型(MEN2)は,甲状腺髄様癌・副腎褐色細胞腫・副甲状腺過形成を発生する常染色体優性遺伝性疾患であり,原因遺伝子はRET 遺伝子である.またMEN1 では膵内分泌腫瘍が,MEN2 では甲状腺髄様癌が予後を既定する重要な疾病であり,これら進行転移例に対しては有効な治療法がこれまでにはなかった.そこで,国内におけるMEN の遺伝学的検査の現状と期待されうる今後の新しい薬剤(エベロリムス,スニチニブ,バンデタニブ)について最新の知見を整理した.

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© 2012 The Japanese Society for Familial Tumors
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