家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
特集:家族性腫瘍診療体制
がん登録と倫理
金子 聰
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ジャーナル オープンアクセス

2003 年 3 巻 1 号 p. 18-21

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抄録
2002年6月,疫学研究に関する倫理指針が厚生労慟省・文部科学省から公布され,がん登録における倫理,とりわけ個人情報の取り扱いについて,一定の甚準ができつつある.地域がん登録事業については.運用が府県単位であることや個人情報が不可欠であることから、疫学研究の倫理指針の適応外とはされているものの`倫理指針に則した運用が望まれている.また,院内がん翌鋒.臓器がん登録に関しては,中央集計時に匿名化を施し,個人情報を施設外に提供することをしなければ,運用に問題はないが,個人情報を用い集計する場合は、登録に参加する施設における倫理審査が必要である.遺伝性腫瘍の登録については,登録する内容に研究段階と判断されている造伝子変異情報が含まれる場合,ヒトゲノム・達伝子解析研究の倫理指針(3省合同の倫理指針)の適応となる.ー方.既に診療に生かされることが医学的に証明されている遺伝子検査結果を登録する場合は.3省合同の倫理指針の除外規定に含まれるため,疫学研究に関する倫理指針に従う必要がある.いずれにせよ,匿名化のみの登録では,長期にわたり登録を運用するためには,謎続的に増えてゆく家系情報を登録できなくなる可能性がある.今後.個人情報を用いた登録を行う場合は,そのセキュリティ確保のための方策の検討.もしくは秘匿化による登録など,検討する必要 がある.
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© 2003 The Japanese Society for Familial Tumors
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