農作業研究
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北海道道央部の2つの春コムギ栽培体系における ヘアリーベッチ導入による窒素肥料の削減
平田 聡之野口 大輔荒木 肇
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2017 年 52 巻 3 号 p. 133-142

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抄録
北海道道央部の春コムギ栽培において,8月のヘアリーベッチ播種後のコムギの減窒素肥料栽培の可能性について2015年および2016年の圃場試験により検討した.通常の4月にコムギを播種する慣行体系と収穫前年の初冬に播種する初冬播体系において,ヘアリーベッチを導入し早春の窒素施肥量を標準の半量とした施肥体系と慣行の施肥体系の2処理間で春コムギの収量関連形質および生育特性を比較した.コムギ播種前のヘアリーベッチの乾物重は,2014年の慣行体系における250.1 g/m2から2015年の初冬播体系における50.1 g/m2までの値を示した.コムギの子実乾物重は,2015年の初冬播体系で最も高い値を示したが,両栽培体系ともヘアリーベッチ導入により窒素施肥量を半減した処理と慣行施肥処理との間に差異は認められなかった.子実内の窒素含有率は,2.29~2.52%の値を示し,春コムギの子実品質として充分であった.しかしながら,初冬播体系のヘアリーベッチを導入した試験区において,草丈の伸張が生育後期で抑制され,コムギの登熟期間における窒素不足が生じる可能性も示唆された.本研究において,慣行体系と初冬播体系の双方において,ヘアリーベッチを導入することで早春の窒素肥料を半減できることが示された.
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© 2017 日本農作業学会
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