抄録
富山県は、標高3000 m級の山々から海岸までの水平距離が約50 kmと短く、急峻な地形の中に、森林や水田、工業地帯、住宅地等の多様な環境が存在している。富山県の年間降水量は2000㎜以上と多く、陸域から河川水や海底地下水湧出によって多量の淡水が富山湾に流入しており、富山湾にもたらされる陸起源物質(栄養塩や有機物等)は、沿岸生態系に大きな影響を与えると考えられているが、その詳細は不明である。本研究では富山湾の沿岸域における陸域からの物質輸送の影響を把握することを目的とし、炭素・窒素安定同位体比を用いて食物網解析を行った。