2021 年 56 巻 2 号 p. 79-87
FAOが提示しているSAFA(Sustainability assessment of food and agriculture system)は政策,社会,経済,環境の4分野から農業の持続性評価を行うツールである,この手法は多方面のデータを統合的に評価できる特徴がある.本研究では,3種の耕起方法(プラウ・ロータリ・不耕起)および3種の緑肥(裸地・ライムギ・ヘアリーベッチ)を組み合わせた管理をしている茨城大学の試験圃場において,環境面からの持続性評価を試みた.温暖化効果ガス,土壌特性および燃料消費に関して客観的な数値データを活用した.データの標準化を行い,SAFA手法によるランキング付けを行った.9種の管理方法を比較すると,ランキングはライムギを作付けた不耕起圃場が最大で,裸地でのプラウ耕起で最小になった.緑肥を導入した不耕起栽培が圃場環境を保全することが明らかになった.