農作業研究
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竹材を用いたセルフビルド可能な農業用ハウスを用いた農業経営に関する研究
-栽培実証に基づく普及に向けた一考察-
長野 伸悟西村 浩志
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2021 年 56 巻 4 号 p. 269-278

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抄録

竹を材料にして農業者が自作できる低コストな農業用ハウス「バンブーグリーンハウス(BGH)」(長野ら2017,2019)を用い,三重県熊野市において無加温での野菜栽培体系確立に取り組むとともに,経営評価を行い,今後の普及対象について考察した.三重県熊野市の山間農業地域において,定年帰農者が少量多品目の野菜栽培に取り組んだ結果,約53~26万円/a/年の売上げが期待され,標準的な所得率とBGHの減価償却費を適用すると,40~12万円/a/年の所得が期待された.施設野菜経営におけるBGHの導入を想定した場合,本研究で取り上げた定年帰農者以外にも,年間を通じて農作業時間を確保する必要がない品目・作型であれば既に農業経営を行っている農業者が規模拡大に際し,BGHを自力施工することは可能であると考えられた.さらに,定年帰農者の所得確保だけでなく,新規就農者やその多くが農業に従事している地域おこし協力隊についても,初期投資の少ないBGHを利用した高収益な野菜生産体系を早期に確立することで地域への定着に寄与できるものと考えられた.

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© 2021 日本農作業学会
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