市販のロータリ式乗用田植機を利用して水稲不耕起移植ができるように,サイドフロートを撤去して植付形成ディスクを装着することでV字型の植溝を形成し,移植作業を安定させる方法を考案した.ディスクには市販の丸鋸刃を用い,進行方向に対してやや斜めに取付けて転動させることにより,残渣を切断しながらV字型の植溝を形成した.代かき植溝なしを対照として,不耕起でディスクの直径を165 mmないしは147 mm,ディスクの枚数を2枚ないしは1枚,ディスクなしを供試田植機の各条に設定し,不耕起土壌表面の硬度を変えて供試した.さらに植溝なしでも不耕起移植が物理的に可能なポット苗方式の田植機やクランク式田植機も試行し,植付性能や生育・収量の比較を行った.不耕起で植溝がない場合,ロータリ式では倒伏や浮き苗が生じ,ポット式やクランク式ではこれらはほぼ避けられたが,いずれも代かきの場合の精玄米収量(平均540 kg/10a)に比べて半減した.直径165 mmのディスク2枚にて作溝し植付爪の最下点を溝底に合わせた場合は,代かきの場合とほぼ同等の収量が得られた.ディスク枚数を減らしたり直径を小さくすれば,それぞれに対応して収量は2/3まで減少した.収量減少の主要因は穂数の減少であり,植溝の状態に応じた苗の活着が初期生育に大きな影響を与えていると推察された.