栄養ケア・マネジメントの下,介護保険施設における経口維持の取り組みに対して訪問診療による支援を行ってきた。2020年には日本国内でもCOVID-19の感染者が増加し,介護保険施設に対し訪問診療を制限することを余儀なくされた。そこでわれわれは訪問診療で行っていたミールラウンドの代替手段としてオンライン診療を行い,対面診療とオンライン診療,電話診療について比較検討を行ったので報告する。
対象施設は,都内にある2つの介護老人福祉施設で,緊急事態宣言下において通常の対面診療の代替としての求めに応じ,電話再診という枠組みでテレビ通話機能を利用しミールラウンドを実施した。診察は映像上で問診および指示を出しながら身体所見をとり,摂食嚥下障害スクリーニングテストの実施と食事観察を行った。おおむね対面診療に準じたミールラウンドを行うことが可能であったが,映像上だけでは判断が難しい点や,実際に口腔内や身体を触って得られる所見などは対面診療よりも情報が制限された。今後,頸部の音を拾うマイクや口腔内カメラなどを導入することで,頸部聴診,歯や歯肉,口腔粘膜の観察を行うことが可能となると考える。オンライン診療上でミールラウンドを行う準備は時間や機器の面でも医療者や施設でも整えやすく,患者は継続性のある医療を受ける権利があり,それらを実現できることが有益である。よって,今後オンライン診療の重要性は増すと考える。