背景:超高齢社会を迎え,摂食嚥下機能が低下している高齢者が増加している。嚥下機能の評価として嚥下内視鏡検査(以下,VE)があるが,医師や歯科医師以外の介護職員には所見の理解が難しい。VEと検査時の食事風景との同時撮影が可能となれば多職種との連携が容易になると考え,そのシステムの開発と有用性を検討したので報告する。
方法:特別養護老人ホームの利用者1名を対象に,VEを行った。VEに用いる内視鏡の操作部に小型カメラを装着し,VEと検査時の食事風景を同時撮影した。同特別養護老人ホームの介護士10名を対象に同一利用者の,VEのみの映像と,VEと検査時の食事風景との同時撮影映像の2つを視聴させ,情報共有の点でその動画内容の理解度(理解しやすさ)を評価するアンケート調査を実施した。
結果:VEと検査時の食事風景との同時撮影は可能であった。アンケートの回答より,「食事介助時の注意点」「食事内容の注意点」「食事姿勢の注意点」の項目について,同時撮影映像のほうが理解度が有意に高かった(p<0.05)。「誤嚥の危険性」「窒息の危険性」の項目については有意差を認めなかった。
結論:本システムにより,VEと食事風景を同時撮影することで介護職員のVEに対する理解度が高くなった。本システムを用いてVEと食事介助の様子を同時に検討することができ,摂食嚥下機能について情報共有の手段として活用できると考える。