老年歯科医学
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原著
地域在住高齢者における咬合と頭部を含む身体動揺との関連
小田島 あゆ子葭原 明弘久保 雅義石上 和男
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2024 年 39 巻 1 号 p. 57-64

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抄録

 目的:高齢者における咬合力と頭部,腰部および重心動揺との関連を明らかにすることを目的とした。

 方法:65歳以上の自立高齢者25名を対象者とした。対象者の頭部および腰部に加速度および角速度測定機器を装着し,重心動揺計の上で立位静止状態を保持した。測定条件は視覚(開眼・閉眼)と咬合(開口・咬合)を組み合わせ,30秒間の身体動揺を測定した。また,口腔内診査および咬合力測定を行った。対象者を咬合力の中央値で咬合力上位群と咬合力下位群の2群に分け,頭部,腰部および重心動揺を比較した。

 結果:咬合力上位群の閉眼かつ非咬合状態における頭部動揺はX軸(ロール)15.0±1.9 deg/sec,Y軸(ピッチ)13.3±2.7 deg/sec,Z軸(ヨー)7.5±1.8 deg/sec,咬合力下位群はX軸22.4±17.0 deg/sec,Y軸20.1±8.8 deg/sec,Z軸12.3±9.6 deg/secであった。咬合力が高い高齢者は低い高齢者と比べて,X軸(p=0.010),Y軸(p<0.001),Z軸(p=0.046)のすべての方向における頭部動揺が有意に小さかった。一方で,重心動揺および腰部動揺において咬合力上位群と咬合力下位群の間に統計学的有意差はみられなかった。

 結論:高齢者における頭部動揺は咬合力の関連が強く出る可能性が示された。

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© 2024 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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