老年歯科医学
Online ISSN : 1884-7323
Print ISSN : 0914-3866
ISSN-L : 0914-3866
調査報告
地域での口腔管理につなげるためのリハビリテーション病院からの退院時歯科患者紹介の実態調査
野本 亜希子大野 友久才川 隆弘鈴木 隆之橋詰 桃代波多野 真智子藤島 一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 39 巻 1 号 p. 65-71

詳細
抄録

 目的:高齢者は疾患や障害により,歯科診療所へ通院困難な場合がある。当院では受診可能なかかりつけ歯科がない患者に対し,歯科医師会と協働し退院後の歯科診療所を紹介するシステムを構築した。本調査では当院における口腔管理,退院時紹介の実態について調査した。

 方法:2020年10月からの1年間で当院歯科から退院時に地域へ紹介した患者の基本情報,口腔管理と退院時紹介の実態を調査し,退院時ADL(Activities of Daily Living)と嚥下機能を紹介先別にKruskal-Wallis検定を用いて比較した。また,2018年1月〜2022年1月の間における紹介システム利用患者の基本情報,入院中の歯科治療有無や退院時の紹介目的を後方視的に調査した。

 結果:1年間の歯科受診患者は564名で,診療情報提供書を記載した患者は43.3%,高齢者79.5%,脳卒中59.0%であった。歯科診療所(通院)宛て(59.8%)は歯科診療所(訪問)(5.3%)や施設・病院宛て(34.8%)の紹介患者と比べ,退院時ADLと嚥下機能が良好であった(p<0.001)。紹介システム利用者が44名で,95.5%が入院中に歯科治療を受け,退院時に歯科治療が必要だったのは20.5%であった。

 結語:リハビリテーション病院の歯科は,入院患者の口腔内環境を改善し,地域へ適切につなげることが重要な役割と考えられる。

著者関連情報
© 2024 一般社団法人 日本老年歯科医学会
前の記事
feedback
Top