老年歯科医学
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唾液の分泌を促進させるマッサージ法の一考案
痴呆の要介護高齢者への応用
斉藤 美香石山 直欣渡辺 郁馬白田 千代子那須 郁夫
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1999 年 13 巻 3 号 p. 183-188

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抄録
唾液による口腔内の自浄作用は, 唾液腺から分泌される唾液によって口腔内を清潔に保っ自然の清掃作用である。しかし高齢者においては, 加齢変化やさまざまな疾患あるいはその治療薬により, 唾液分泌量は減少すると言われている。そのため, 口腔内自浄作用をはじめ他の作用も低下する。
そこで要介護高齢者の口腔ケアの一環として, 唾液分泌量を促し, 口腔内自浄作用を改善するマッサージ法を考案し, 試行した。
被験者は板橋ナーシングホーム利用者で, 高度の痴呆を有する無歯顎者のうち, 各フロアの看護主任に今回の研究目的にあった人々の選出を依頼し, 24名を対象にした。日中2時から4時の間に安静時唾液を採取して性状を調べた。次にコットンロールを用いて60秒間の安静時唾液分泌量を求あた。その後で我々が考案した口腔内マッサージ器で頬部唾液腺相当部に60秒間刺激を与え, 刺激唾液の性状と分泌量を調べて, 安静時と比較した。
その結果, マッサージ刺激後には, 唾液分泌量の増加が認あられた。なお被験者の常用薬と, 唾液分泌量は今回の調査では特別な関係は認められなかった。また唾液の性状にっいては, 安静時に比べ改善された。
以上より, 今回我々が考案したマッサージによる機械的刺激は, 唾液の分泌量増加や, 性状の改善に有用な方法であると結論づけた。
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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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