老年歯科医学
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非ステロイド性抗炎症剤の薬物動態と薬効の評価
健康成人, 外来高齢者, 寝たきり高齢者の比較
河原 正朋松本 宜明菊谷 武稲葉 繁
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2000 年 15 巻 2 号 p. 115-126

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抄録
非ステロイド性抗炎症剤であるフルルビプロフェンを健康成人に経口連続投与し, 経時的に血中濃度を測定し, 測定値から薬物動態パラメータを算出した。この薬物動態パラメータを1-コンパートメントモデルに当てはめ, フルルビプロフェンを投与された健康成人, 外来高齢者, 寝たきり高齢者の血中濃度の予測値を算出した。得られた血中濃度の予測値と実測値から予測効率を算出し, 薬物動態を外来高齢者および寝たきり高齢者にっいて健康成人の場合と比較した。さらに, 抜歯後の薬効評価を合わせて行い, 以下の結果を得た。
1.健康成人にフルルビプロフェンの40mgを3日間連続投与した時の消失速度定数 (kel) は0.25±0.06h-1 (Mean±SD), 吸収速度定数 (ka) は0.98±0.67h-1, 分布容積 (Vd) は4.29±1.05Lであった。また, t1/2は2.7時間, Tmaxは1.9時間, Cmaxは5.8μg/mlであった。
2.健康成人では予測値と実測値が一致したが, 外来高齢者群では予測値と実測値が一致する症例と, 予測値より高値を示す症例, 低値を示す症例が同程度認められた。また寝たきり高齢者では全体に予測値より実測値が高値を示したが, その変動は小さかった。
3.いずれの症例においても疹痛の発現は認められなかった。
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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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