老年歯科医学
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入院下歯科治療におけるクリティカルパスの導入
第一報 クリティカルパス作成過程
斉藤 美香依田 知久佐々木 貴子平野 浩彦山口 雅庸
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2002 年 17 巻 1 号 p. 41-47

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抄録
入院下歯科治療に対応するクリティカルパス作成過程について報告する。過去5年間に当科において入院下歯科治療を受けた患者23名を調査した。その結果をもとに, 入院下歯科治療に導入するパスの骨組みを以下のように設定した。
1.パスの対象患者: ADLの低下があり, 低下原因となった疾患が慢性化 (状態が安定) していること。入院により新たに内科的治療を要しないこと。
2.治療項目: (1) 小手術 (抜歯など) (2) 保存治療 (齲蝕治療, 根管治療など) 補綴治療は外来通院, 地域診療所, あるいは訪問診療で行う。
3.治療は1日2回行う。ただし休診日である土日, 木曜日の午後は原則として行わない。
4.治療する日数: 14日間 (治療日数10日+休診日4日), 7日間 (治療日数5日+休診日2日) の2通りの日数を設定した。これは治療歯数や治療内容に応じて対応できるようにした。
5.バリアンス: 在院日数が長期化した時やパスに沿って計画したこと以外の事項があった場合をバリアンスとした (その場合, 計画した歯科治療は完遂していることが必要である) 。
6.パス脱落: なんらかの理由により計画した歯科治療が完遂しなかった場合をパス脱落とした。
これらをふまえ, パス用紙を作成した。
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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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