日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
原著
胃がん検診における経鼻内視鏡検査導入の試み
安田 貢青木 利佳鳥巣 隆資北村 晋志林 亨村田 昌彦山ノ井 昭鹿児島 彰井上 博之村岡 直子
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 45 巻 1 号 p. 27-34

詳細
抄録
【目的】今回われわれは, 胃がん内視鏡検診における経鼻内視鏡の導入方法を検討し, 嘔吐反射や苦痛度の改善率, 帰宅後の鼻腔の違和感や鼻出血の有無など, 検診としての安全性を調査した。【方法】使用した経鼻内視鏡はオリンパスGIF-N260 (鉗子チャンネル2mm, 外径が先端部4.9mm, 軟性部5.2mm) である。受診者の前回の通常内視鏡検査における嘔吐反射の程度を5段階に分類し, 原則的にgrade 4以上でかつ鼻疾患のない人に経鼻挿入を勧め, 嘔吐反射の改善率を調べた。アンケート調査 (無記名, 郵送) も併せて実施した。【成績】経鼻内視鏡は167件 (全体の7.3%) で適応され, 挿入成功率は91% (152例) で女性において挿入率が低下した。また, 通常径内視鏡に比較して検査時間が有意に長かった。鼻出血例を3例 (1.8%) 認めたが, 全例すぐ止血可能であった。経鼻内視鏡検査は有意に嘔吐反射を改善し, アンケート調査においても苦痛軽減効果が示された。鼻腔の違和感も持続せず, 帰宅後の鼻出血は9.5%に認めたが軽度であった。【結論】今回検討した受容度と安全性は内視鏡検診に必要な最低限の要素であり, 経鼻内視鏡検査法の胃がん検診への導入は内視鏡受診率増加に繋がるものと期待された。導入方法については, 嘔吐反射が強い比較的若い受診者を選んで施行するとよいが, 画質や操作性の問題もあることから, 最終的な機種選択は施行医が受診者と相談して適切に判断すべきと考えられた。
著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top