日本消化器がん検診学会雑誌
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総説
胃X線スクリーニング検査の画像評価「上部消化管造影臨床画像評価法」─解説と実施例─
森永 宗史小川 利政
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キーワード: 画像評価, X線検査, 胃がん
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2007 年 45 巻 5 号 p. 490-505

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抄録

胃がん検診の主力である胃X線造影の画像評価の標準的方法が望まれている。画像評価は様々な考え方と方法で行われてきたが, 造影された画像からその精度を評価する方法には大きく分けて, 病変を検索するという検査の目的にどれだけ役立っているかを画像のみから判定する方法と, 画像だけではない撮影体位, 造影技術力, 造影手法, 装置性能, 造影剤などを考慮した方法に大別できる。我々は前者の立場から, 上部消化管造影の臨床画像評価法をすでに提案している。スクリニーングの精度として, 区域と粘膜の両描出能評価を定めている。区域描出能評価には「すとまっぷ」1)を準用し, 粘膜描出能評価には過形成様粘膜と非過形成様粘膜に2大別したデュープ基準フィルムを目元で比較対照することで比較的高い客観性と再現性を保証している。今回, 我々の画像評価法について実施例を交えて解説する。「上部消化管造影臨床画像評価法」2)を活用していただくことを推奨する。

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© 2007 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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