日本消化器がん検診学会雑誌
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経験
人間ドックで発見された胆嚢腺筋腫症の経時的変化
山田 一成乾 和郎岩間 汪美小島 洋彦高島 東伸堀 理恵廣瀬 光彦芳野 純治若林 貴夫奥島 一武三好 広尚小林 隆中村 雄太
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2007 年 45 巻 6 号 p. 627-634

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抄録

1995~2004年の間に行った人間ドックの腹部超音波検査は実質155,238例であり, そのうち胆嚢腺筋腫症と診断されたのは720例(0.46%)で, 男性574例(0.43%), 女性146例(0.20%)と男性に多かった。平均観察期間5.8年で経過を追えた125例についての検討では, 肉眼形態は限局型58例(46%), 分節型37例(30%), びまん型30例(24%)と, 限局型が最も多かった。胆嚢癌の合併は1例も認めなかった。胆石の合併を125例中6例(4.8%)に認めたが, 限局型1例(0.8%), 分節型4例(3.2%), びまん型1例(0.8%)と分節型に多く認められた。胆嚢ポリープの合併を125例中19例(15.2%)に認めたが, 限局型4例(3.2%), 分節型6例(4.8%), びまん型9例(7.2%)とびまん型に多く認められた。経過観察中に壁肥厚の増大を5例(4.0%)に認めたが, 胆石や胆嚢癌に出現は認めなかった。胆嚢癌や胆石の合併についてはさらに長期的な検討が必要である。

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© 2007 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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