日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
胃がん個別検診における要精検率の適正化を目指した取り組み
中野 真須田 健夫三吉 博田畑 育男鈴木 佑典野中 達也松本 雅彦吉川 廣和三好 和夫井上 幸万渕上 在弥
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2008 年 46 巻 2 号 p. 210-220

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抄録

大宮地区の胃がん個別検診は平成8~17年度まで総発見がん385例, がん発見率0.29%, 早期がん比率67.3%と, 先進地区に引けをとらない成績を上げているが, 要精検率が高いこと(平成15年度14.8%)が大きな問題点であった。この主要因は全例に一次読影と二次読影を実施し, そのどちらかで要精検となっても精査を行うという大宮独自の方法をとっているためと考えられた。そこで, 我々は適正な要精検率を10%以下と考え, 平成16年度の検診開始前に次の二点を徹底実施した。1)読影基準(Grade分類)を作成し, さらに読影結果にこの併記を義務付けた。2)一次医療機関毎の要精検率を調査し, 平均の要精検率と併記連絡し, 突出した施設に読影の再考をお願いした。これにより, 要精検率は平成17年度9.1%, 平成18年度8.1%と目標を達成することができた。がん発見率は平成17年度0.31%であり, 質の低下をきたすことなく要精検率の適正化が達成できたと考えられた。

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© 2008 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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