抄録
大腸腺腫発生と肥満および減量との関連性を解析する為に, 大腸肛門病センター高野病院総合健診センターで内視鏡検査を初回受診した15,410名(男性7,173例, 女性8,237例)を対象に約14年間調査した。肥満との関連性は14年間の全体像および年代別(10年前, 現代)に比較検討し, 減量は初回に大腸腺腫を認めない肥満者で, 次年度に受診した952名について調査した。統計解析にはロジスティック回帰分析を用いた。全対象では男性肥満者は腺腫発生が有意なリスクとなったが, 年代別にみて10年前はリスク因子とならず, 現代のみリスクとなった。一方, 女性肥満はリスクとしては認められなかった。減量と大腸腺腫発生の関連について, 減量した男性は非減量者に比べ腺腫発生は約半数(0.58倍)に減少し, 体重あたり0.5%減量で予防効果を認めたが, 女性の減量は有意な差がみられなかった。以上から, 男性肥満は大腸腺腫発生に関連があり, 男性では減量は予防効果があると示唆された。