内視鏡検査は胃癌診断精度が高いが, 侵襲性や偶発症, マンパワーの問題など様々な課題があり, 十分な説明と精度管理のためにも, 対象の胃癌リスクを評価することがよい。
H. pylori陽性胃炎の中でも, 特に萎縮性胃炎は高危険群であり, また, PG法陽性の中でもsPGI/II比低値の者はより高い胃癌有病率を示した。
H. pylori感染とペプシノゲン(PG)を指標にして, 胃癌リスクの評価が可能である。
H. pylori未感染群をlow-risk,
H. pylori感染者で萎縮のない者をaverage-risk,
H. pylori感染で萎縮の強い群をhigh-riskとし, high-risk逐年内視鏡検査, average-risk隔年内視鏡検査とする応用が考えられる。内視鏡検査には, 安全で確実な診断, 検診のためにも胃癌リスク評価が望ましい。
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