日本消化器がん検診学会雑誌
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経験
腹部超音波検診のプロセス評価の実態(アンケート調査より)
神宮字 広明坂 佳奈子小野 良樹
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2009 年 47 巻 3 号 p. 380-391

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抄録

腹部超音波検診のプロセス評価について, 全国労働衛生連合会(以下, 全衛連)傘下の228施設にアンケート調査を実施し, さらに東京都予防医学協会(以下, 当会)の判定基準に基づいた当会の成績について検討し, 若干の知見を得たので報告する。アンケート調査より, 装置はデジタル化(41.6%)が進み, 検査時間は7~10分が多かった。読影は殆どの施設で技師, 医師のダブルチェックで行われているが, 医師の専門性は低い。要精検率は4.2%, 精検受診率は60.4%であった。陽性反応的中度まで得られた施設はわずか25.6%であり, がん発見率は最高0.02%, 早期がん比率は29.7%であった。一方, 当会では精検受診率は76.9%であり, がん発見率は肝臓, 腎臓で各々0.01%, 陽性反応的中度は腎臓で12.5%であった。今回の検討では1次検診以降の追跡調査の低さが目立ち, プロセス評価は低いと考えられた。

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© 2009 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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