日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
偽陰性率から見た内視鏡検査の精度管理の問題点および対策についての検討
猪股 芳文加藤 勝章島田 剛延渋谷 大助
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2009 年 47 巻 5 号 p. 542-551

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抄録

【目的】内視鏡検査の精度管理の問題点および対策について, 偽陰性率の点から検討した。【方法】1989年から1998年の胃集団検診の内視鏡による2次精検受診者を宮城県地域がん登録と照合し, 内視鏡時は胃癌と診断されず, その後3年以内に胃癌でがん登録された症例を偽陰性例と定義した。内視鏡を専門とする医師のみが担当し, レビューによりDouble checkしているセンター精検群と内視鏡専門外の医師も担当し, 精度管理も十分とは言えない地元精検群間, さらに地元精検群の中でもDouble checkや症例検討会により精度管理を施行するA市と未施行のB市間で偽陰性率を比較した。【成績】偽陰性率は, 地元精検群(18.9%)と比較しセンター精検群(10.8%)で, さらにB市(26.5%)と比較しA市(13.9%)で有意に低率であった。【結論】内視鏡検診を実施するにあたっては, 検査医の専門性のみならず精度管理対策による検査精度の向上が必要不可欠であると考えられた。

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© 2009 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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