日本消化器がん検診学会雑誌
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症例報告
フトンを用いた追加撮影により, 鮮明に描出できた胃体上部前壁陥凹型胃癌の1例
宮崎 武士大久保 秀右田 健治赤澤 武前川 進芹川 習西東 龍一石原 悦子佐藤 敏美三原 修一
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2010 年 48 巻 4 号 p. 442-446

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抄録

人間ドックを契機に発見された胃体上部前壁陥凹型胃癌を経験したので報告する。症例は50歳代女性。新・胃X線撮影法(直接・間接)ガイドラインに準じて行ったスクリーニング胃X線検査において, 胃体上部前壁にバリウム斑と周囲の透亮像を基準撮影画像にて認識した。
その後行った追加撮影では, 二重造影I法, II法の撮影手技に加え, フトンの厚さを変化させた腹臥位圧迫, 撮影角度を変化させた側面位の撮影など, 様々な撮影手技を組み合わせている。
最終的に本症例は, 追加撮影により病変の示現度が向上し, スクリーニング胃X線検査の段階において質的診断が可能であった。今後も継続して新・胃X線撮影法(直接・間接)ガイドラインに即した撮影手技の習熟と病理組織構築に基づいたX線形態診断学の熟知に努めることが最も重要であると思われる。

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© 2010 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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