抄録
近年, 細径・極細径内視鏡(以下, 細径)を用いた胃内視鏡検診が増加しているが, その有効性については不明な点が多い。そこで, 2002年4月からの7年間に任意型検診で施行した上部消化管内視鏡検査(計14,075件)を対象にして, 細径の胃がん診断成績について検討した。使用されたスコープ機種別に通常スコープ(以下, 通常)群と細径群の2群に分けると, 発見率(通常群0.37%, 細径群0.2%)および早期がん比率(通常群86.7%, 細径群83.3%)には有意差はなかった。また発見胃がん33例中19例(57.6%)に内視鏡検診歴を認めたが, 細径群の粘膜内がん比率は通常群に比べて低く, さらに前回所見の遡及的検討から, 細径で拾い上げられなかった病変を6例(31.6%)認めた。従って, 内視鏡治療可能な粘膜内がん発見のためには, 細径の精度管理についてさらに検討が必要と考えられた。