抄録
奈良県胃がん検診において発見された胃がん症例の前年所見を検討したところ, 全例の背景粘膜は従来の報告に照らしてHelicobacter Pylori感染胃炎(以下Hp胃炎)であることを示唆していた。これまでのX線検診で正常と扱われた症例の多くにHp胃炎が含まれていることを考慮し, 胃がん高危険群の拾い上げを含めた新しい読影基準と診断カテゴリーの導入を試みた。読影基準の普及や実際の指示区分の運用など課題は残るが, Hp胃炎を認識し, 実際のカテゴリーに反映させることで胃がんX線検診の精度向上を期待できると考えられる。