抄録
2003年から2008年に腹部超音波検診を実施した40,306人を対象に事後管理を評価した。要精検率は3.2%, 精検受診率は90.7%, 医療機関紹介に対する返信率は94.2%であった。発見がん症例は23例(発見率0.057%)で, 内訳は腎細胞がん11例, 肝細胞がん5例, 後腹膜腫瘍2例および胆管細胞がん, 胆嚢がん, 胆管がん, 膵がん, 十二指腸がんが各1例であった。予後は全例で確認されていた。1996年から2004年までの検診データを宮城県がん登録と照合して診断精度を求めた。感度, 特異度, 偽陰性率, 陽性反応適中度はそれぞれ81.4%, 97.6%, 18.6%, 3.0%であった。疾患別の偽陰性率は腎細胞がん6.3%, 肝細胞がん9.1%, 胆嚢がん20.0%, 膵がん55.6%であった。これらの数値は胃がん検診や大腸がん検診とほぼ同じであり, 超音波検診の精度はそれらと比較して遜色のないものと考えられた。膵がんについては精度の高い早期発見法の確立が望まれる。