日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
職域(小規模事業所)における大腸がん検診の現状と課題─要精検者対策を中心に─
佐々木 修一佐々木 宏之佐藤 方則
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2011 年 49 巻 5 号 p. 627-634

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抄録
島根県浜田地域の事業所に対し, 大腸がん検診への取り組み・受診勧奨法と要精検者への職域に於ける関わり方を中心にアンケート調査を行った。対象は平成20年度我々が当該地域で行った定期健康診断受託事業所644施設(内大腸がん検診受託事業所358, 実施率55.4%)で, 回答数391施設(回答率60.7%)であった。職域での大腸がん検診は過半数の事業所で取り組まれているが, 特に小規模事業所での精度管理は明らかではなく, 受診者個人・事業所・検診機関任せであり, 系統的にはほとんどなされていないのが実態である。一方検診機関などは実際に大腸がん検診を受託実施してきており, 精度管理についても責任があるのは当然であり, 精検受診率の向上についても同様である。検診機関においても受診者・要精検者・精検結果の把握を正確に行い, これらを受診者・事業所と共有し精検受診率の向上に努めることが必要と思われた。そして今回のアンケートで大腸がん検診要精検者への関わり方については, 結果通知や文書によるものの他に, 担当者や上司による勧奨も43.7%で行われており一定の取り組みがなされていること, さらにがん検診の結果把握がなされている事業所の38.6%では精検未受診者への再度の受診勧奨が行われており, 特に精検結果の報告を義務付けている事業所では, 再受診の勧奨率は81.0%と高率であった。これらの事業所での精検受診率は今回明らかに出来なかったが, がん検診においても職域における施策を定期健康診断と同様に明確化すると共に, 検診機関などの役割を求める必要があると思われた。
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© 2011 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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