抄録
標本調査によりがん検診受診率を推計するとともに, 標本未回収の問題について検討した。胃・肺・大腸・子宮・乳がん検診に関係する10種類の検査法毎に受診の有無と, 地域や職域などの受診経緯を回答する調査票を作成し, 仙台市民3,000名に送付した。有効回答率は65.5%だった。未回答者の影響を推定するため, 地域保健・健康増進事業成績による実測値との比較, 及び, 調査に対する反応の良さと受診率の関係を検討した。いずれの検診においても, 回答者のみで算出した受診率は実際の受診率を過大評価している可能性が示唆された。その傾向は70歳以上において顕著であった。今回の検討により, 受診率調査に関わる問題点の一部は改善されると思われるが, 本質的に改善するには限界があり, 特定健診のように地域以外の検診受診数も把握できるシステムを導入すべきと思われる。