2011 年 49 巻 6 号 p. 1105-1113
CT colonography(CTC)の大腸癌診断における有用性を検討した。便潜血陽性者を中心とした150例にCTCと大腸内視鏡検査を行って比較検討した。最終診断は進行癌41例, 早期癌25例, 腺腫74例, 過形成3例, 粘膜下腫瘍1例, 異常なし6例であり, CTCの診断能は正診率96%, 感度97.9%, 特異度50%であった。進行度別感度は進行癌100%, 早期癌96.3%, 腺腫71.2%, 過形成47.4%であった。部位別感度は盲腸76.2%, 上行結腸57.6%, 横行結腸66.2%, 下行結腸83.3%, S状結腸85.1%, 直腸78.0%であった。大きさ別感度は2~5mmが56.7%, 6~9mmが88.1%, 10mm以上が92.5%と, 6mm以上で90.9%と高い感度であった。CTCは大腸癌スクリーニング法として有用である可能性が示唆された。