日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
腹部エコー上の高輝度膵を有する脂肪肝は, メタボリック症候群を高頻度に併存する
小宮山 恭弘百木 和羽生 大記森 敬弘伊藤 正清水 誠治水野 成人
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2014 年 52 巻 1 号 p. 61-69

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抄録

目的:腹部超音波では脂肪肝が最多の所見だが, 全例の精査は困難である。近年異所性脂肪の内, 膵内脂肪が動脈硬化の危険因子として注目されている。そこで肝腎コントラストに膵脾コントラスト値(以下膵脾差)を加えることで, メタボリック症候群(以下MetS)を合併した脂肪肝を効率よく抽出可能か検討を行った。
対象と方法:人間ドックを受診した脂肪肝患者121例を対象とした。MetSの併存をアウトカムに, 膵脾差について高膵脾差群と低膵脾差群に分け病態を比較した。
結果:ROC解析より, カットオフ値は膵脾差45であり, 感度0.652 特異度0.702であった。高膵脾差群はMetSを高率に併存し, CT上の内臓脂肪面積も高値, 体重, BMI, ウエスト周囲径も高値であり, より動脈硬化症のリスクの大きい脂肪肝であることが示唆された。

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© 2014 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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