日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
当院における胃内視鏡検診偽陰性例の検討
宮崎 慎一甲斐 弦大廻 あゆみ森田 照美野田 裕之
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キーワード: 内視鏡検診, 胃癌, 偽陰性
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2014 年 52 巻 2 号 p. 217-224

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抄録

逐年受診にて発見された胃癌を偽陰性例として, 逐年受診発見胃癌の臨床病理学的特徴, 偽陰性例の原因別検討, 内視鏡経験年数による検討, 病変部位による検討, 偽陰性率の検討を行った。逐年受診発見胃癌17例はすべて早期癌であり, うち9例(52.9%)が内視鏡的に根治可能であった。また, 11例(64.7%)が検査医の技量向上およびダブルチェックを行う医師の注意深い観察にて発見できる可能性があった。当院の年間の内視鏡検査件数は3000件程度と多くはないが, 逐年受診発見胃癌すべてを偽陰性例と定義した場合の偽陰性率は31.5%, 前年度画像を見直して病変を指摘できるものを偽陰性例とした場合は14.8%とhigh volume centerと同等であり, 適切な精度管理を行うことで地方都市においても質の高い胃内視鏡検診が可能であると考えられた。

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© 2014 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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