日本消化器がん検診学会雑誌
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経験
免疫法便潜血検査陽性にて当院で全大腸内視鏡検査を行った症例の検討~高齢者大腸癌の特徴を中心に~
神野 正隆藤野 雅之
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2014 年 52 巻 2 号 p. 233-239

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抄録

2011年1月~2012年12月の2年間に免疫法便潜血検査陽性を指摘され, 当院(板橋中央総合病院)で全大腸内視鏡を行った1103例を対象に65歳で2群に分け, ポリープの個数, 大きさ, 大腸癌の発見率, 発生部位, 腺腫の発生部位, 早期癌と進行癌の比率の検討を行った。また性別でも同項目につき検討を行った。大腸癌・腺腫の発生部位は右側大腸(盲腸・上行結腸・横行結腸)と左側大腸(下行結腸・S状結腸・直腸)に分け比較を行った。結果は, 高齢者はポリープが多発し, より大きかった。大腸癌の発見率も高くなり, 高齢に伴い大腸癌・腺腫共に右側大腸での割合が増加し, 進行癌の比率も高かった。性別での比較では, 男性は多発例が多かったが, 他の項目では有意差を認めなかった。免疫法便潜血検査陽性の高齢者は上記のような特徴があることに留意し, 大腸癌の罹患率・死亡率を減少させるため全大腸内視鏡を積極的に勧め, 行うべきと考えられた。

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© 2014 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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