2014 年 52 巻 6 号 p. 737-745
内視鏡説明書に抗血栓薬に関する事項を追加した2010年8月の前後に, 内視鏡検診受診者953名のうち抗血栓療法中であった100名(前期50名後期50名, 男86名女14名, 平均年齢68.3歳)を対象とし, 薬剤, 基礎疾患, 休薬の有無, 休薬の判断者を調査した。薬剤は, アスピリン59名, ワルファリン16名, クロピドグレル8名の順に, 基礎疾患は, 心房細動などの不整脈22名, 陳旧性脳梗塞17名, 狭心症13名の順に, それぞれ多かった。休薬の自己判断者は12名(前期2名後期10名)で, 後期の方が有意に多かった。抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドラインに対する当科の対応として, 2013年4月より原則, 抗血栓薬を休薬しないように受診者説明を変更した。生検の運用については, 他施設の意見も参考にして他院紹介としているが, 内視鏡施行の直近に主治医より許可を得た上で休薬を行っている場合は生検可としている。