2015 年 53 巻 1 号 p. 38-45
4年間の人間ドックの上部消化管内視鏡検査6377例中に2例の十二指腸濾胞性リンパ腫を発見した。症例1は52歳女性で上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行部のひだが太まり, 表面に平坦な白斑と白色顆粒状隆起を認めた。症例2は65歳女性で内視鏡検査で下十二指腸角から水平部に平坦な白斑と白色顆粒状隆起を認めた。2症例とも生検で濾胞性リンパ腫, grade1と診断した。過去の内視鏡画像をみると, 症例1, 2ともに病変の一部が撮影されていたが, 施行医が異常に気が付かず見逃していた。十二指腸濾胞性リンパ腫を発見するためには十二指腸のひだの間を丁寧に観察し, 特徴的な平坦な白斑や白色顆粒状隆起所見を見逃さないことが重要だと思われる。