日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
原著
胃がん検診受診による獲得余命への胃癌罹患率の影響
茂木 文孝
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 53 巻 1 号 p. 8-16

詳細
抄録
検診の延命効果を獲得余命として算定する飯沼らによる数理モデル(飯沼モデル)を用いて胃癌罹患率の低下に伴う獲得余命の変化を求め, 対象年齢ごとの胃がん検診の利益を検討した。方法 飯沼モデルで10万人の検診による救命数を求め, 平均余命や健康寿命を乗じて獲得余命を求めた。1990年に飯沼らが算定した獲得寿命と最新の2008年データを用いた獲得寿命を比較した。また年齢階級別に死亡率減少効果を検討した。結果 獲得余命は男性が女性よりも2倍以上長く, 40歳台から男性は急激に, 女性は徐々に延長した。ピークは70歳前半でそれ以上の年齢層で短縮したが, 健康寿命を用いた女性の獲得余命で顕著だった。飯沼らの報告と比べて全ての年齢層で獲得余命が短縮していた。男性50歳以上, 女性60歳以上で死亡率減少効果を認めた。結論 80歳以上ではあまり獲得余命の延長は望めず, 40歳台では罹患率の減少により検診の利益が低下していた。
著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top