抄録
正しい消化器がん検診を行うには正確な実態把握が必要である。1995年から2002年に福井県で実施された大腸がん検診をがん登録と記録照合した結果, 中間期がんが19%に存在し右側結腸に多かった。なお中間期がんは検診未受診よりも予後良好であり, 私達は自信をもって大腸がん検診を推進すべきである。がん検診受診率の算出には地域に加えて職域での受診の把握が不可欠であり, 調査法としては国民生活基礎調査がある。ただし同調査による福井県での大腸がん検診受診率は2013年に43.2%で, 県独自の地域・職域全数調査による35.7%より高く算定され, 課題が残った。また地域保健・健康増進事業報告では2011年には個別検診が大腸がん検診の過半数を占めたが, 精検受診率は55.5%に過ぎず集団検診の73.6%よりも有意に低かった。今後は地域(集団・個別), 職域を問わずすべての人が正しい消化器がん検診を受けられるよう, 実態把握と精度管理において本学会が主導的役割を担う必要がある。