日本消化器がん検診学会雑誌
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総説
胃癌発生の自然史から考える今後の胃癌対策
一瀬 雅夫
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2015 年 53 巻 3 号 p. 357-364

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抄録

我が国では, 有効性が証明されたX線による胃がん検診が公共の施策として行われているが, 現在の胃がん検診は多くの課題に直面している。一方, Helicobacter pyloriが胃癌発生の主要因である事が明確となり, 胃癌発生の自然史に関する理解も進み, 個人の胃癌リスクがペプシノゲンなどの血液検査を指標に, ある程度診断可能となっている。その結果, リスク集約型の胃がん検診が検討され, いわゆるABC検診の様に試験的に現場に導入されるものも登場している。さらに, 胃癌対策として検診による二次予防に代わり, 除菌による一次予防に主眼を置く流れが明確になって来た。しかし, ABC検診, 除菌による胃癌予防の両者に関するデーターは限られており, 未だ検討課題を多く抱える現状にある。特にABC検診を実際の検診に導入する前提として, 使用する測定系, cut-offの設定などの基本的問題に加え, ハイリスク管理体制などに関する充分な検討が受診者保護の観点から強く求められる所である。

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© 2015 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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