抄録
胃X線検診の精度を向上させるために読影基準を見直す目的で検討を行った。さいたま市大宮地区の胃がん個別X線検診で平成17年度以降発見された胃がん症例110例の背景粘膜の萎縮度と体部大弯の皺襞を検討したところ, 早期胃がんの約23%が高度萎縮の胃小区で, かつ体部大弯の皺襞が全くない症例であった。平成24年度より読影基準を改定し, 胃小区が高度萎縮であり, かつ体部大弯の皺襞が全くない症例と, 鳥肌胃炎を疑う症例を2次読影のみでcategory3として扱い要精査とした。結果は高度萎縮症例の中から4例の胃がんが発見され, 胃がん発見率は0.15%から0.19%に上昇したが, 要精検率を0.82%上昇させた。背景胃粘膜の萎縮を考慮した新たな読影基準は, 胃がん個別X線検診における早期癌発見率の向上に寄与する可能性があると考えられた。