日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
原著
腹部超音波検診カテゴリー分類の妥当性
高島 東伸乾 和郎廣瀬 光彦岩間 汪美
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 53 巻 4 号 p. 497-502

詳細
抄録

腹部超音波検診75,802例から発見した肝細胞癌12例, 転移性肝癌12例, 胆管細胞癌2例, 胆嚢癌1例, 膵癌10例, 腎癌33例の70例(0.092%)のUS所見をカテゴリー分類(以下, C:No)することで, 有用性や妥当性について検討した。結果はC:5が24例, C:4が39例, C:3が7例であった。肝細胞癌はモザイクパターンの3例がC:5で, 9例はC:4であった。転移性肝癌は9例(75%)が多発性(C:4)であった。膵癌は6例(60%)に主膵管の途絶(C:5)を認めた。腎癌では辺縁低エコー帯および内部の無エコー(C:5)は11例(33.3%)であったが, 均一な高エコー充実性病変(C:3)を7例(21.2%)に認めた。70例中63例(90%)がC:4以上で, カテゴリー分類によるがんの拾い上げは有用と考えられた。がんの早期発見にはC:3病変に伴う癌の特徴的所見や間接所見を見逃さないようにする必要がある。

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top