日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
健診において腹部超音波がん検診基準によりカテゴリー3とした症例の検討
村松 和美佐々木 知美松本 直樹小川 眞広
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2015 年 53 巻 4 号 p. 503-508

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抄録

2011年9月に日本消化器がん検診学会より「腹部超音波がん検診基準」が発表された。当施設でも試験的にカテゴリー分類を行った。対象は当施設で人間ドック受診の328名のうちカテゴリー3とした22症例を臓器別・事後指導区分別・超音波所見別に分け, その内訳について検討した。肝臓10例, 胆嚢5例, 膵臓2例, 腎臓3例, 脾臓2例あり, その内11例が経過観察, 残り11例は要医療と判定された。また直接所見13例, 間接所見8例, 高危険群1例に分類でき, 直接所見13例の内6例は過去画像と比較でき変化を認めず経過観察, 初指摘は要医療と判定された。間接所見は過去画像との比較に加え血液検査結果を考慮し事後指導が決定された。原因不明の管腔拡張症例では原因追究の為に要医療と判定された。高危険群は検査時の超音波所見が重視され事後指導が決定されていた。今回の検討からカテゴリー3症例を事後指導の観点からさらに分類できるのではないかと考えられた。

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© 2015 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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