日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
除菌後血清ペプシノゲン(PG)値からの除菌前の萎縮性胃炎, PG法の陽性・陰性の推定
古田 隆久佐原 秀市川 仁美鏡 卓馬
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2016 年 54 巻 1 号 p. 52-58

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抄録

除菌後の血清ペプシノゲン(PG)値より除菌前の萎縮性胃炎の評価, PG法での陽性・陰性の推定が可能かを検討した。H. pylori陽性で, 除菌前に内視鏡的に木村・竹本分類に従って萎縮を評価し, 除菌の前後で血清PG, 抗H. pylori IgG抗体を測定した193例を対象とした。PG法の陽性・陰性で分類した場合, 除菌後も陽性・陰性で有意に異なるものは, PGIとPGI/II比であった。ROC曲線での解析の結果, PGIが36.4(ng/ml)以下でPG法陽性と判断すると74.2%の有用度で除菌前のPG法陽性と判定可能であった。除菌前の萎縮の広がりとの相関も除菌前のPG法での判定と同等であった。除菌後の血清PGからもある程度除菌前の萎縮性胃炎の状態が推定できると考えられた。

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© 2016 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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