日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
会長講演
腹部超音波検診を考える
松元 淳
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 55 巻 1 号 p. 9-20

詳細
抄録

腹部超音波検診の本邦での歩み, 鹿児島県での現状を分析し, さらに本県の超音波技師へのアンケート結果から見えてきた今後の課題と対策について述べた。1)腹部超音波検診判定マニュアルの普及については各施設の認識を高め, 理解を求めることにつきる。2)検診精度についてはスクリーナーである検査技師の知識, 技術の向上が最も重要である。技師のスキルアップの機会を増やす環境を整えることも課題である。3)技師のみならず, 判定医そして精検医療機関の医師が腹部超音波検診について共通の認識を持つことが重要である。所見によっては精検医療機関を厳選することもやむを得ないと考える。4)超音波検診はがん検診のみならず生活習慣病健診としての意義も大きい。この利点をもっと受診者の利益につなげるべきである。私見ではあるが, これらの課題を解決するためには各地区で腹部超音波検診全体を強いリーダーシップで引っ張っていく組織の存在が必要である。

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top