日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
85歳以上の超高齢者に対する低用量前処置を用いた大腸CT検査:安全性と有用性の検証
歌野 健一根本 大樹愛澤 正人高柳 大輔五十畑 則之永田 浩一遠藤 俊吾冨樫 一智
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2017 年 55 巻 5 号 p. 658-665

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抄録

【目的】85歳以上の超高齢者に対する低用量前処置による大腸CT検査の安全性と有用性を検証する。
【方法】85歳以上の47例(男20名, 女27名;年令中央値88歳, 最高齢95歳)を対象にした。前処置は前日の朝・晩に腸管洗浄剤380mlと水溶性ヨード造影剤20mlの混合液, 眠前にピコスルファートナトリウム水和物10mlを自宅で内服した。安全性は合併症の有無で, 有用性については検査不良例の頻度と病変発見率・陽性反応適中度で評価した。
【成績】前処置および大腸CT検査に起因する合併症は認められなかった。腸管の拡張不良による検査不良率は4%(2/47)であった。残りの45例中, 6例に10mm以上の病変を認め, 病変発見率は13%(6/45), 陽性反応的中度は100%(6/6)であった。
【結論】超高齢者においても, 低用量前処置を用いた大腸CT検査は安全かつ有用であった。

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© 2017 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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