2018 年 56 巻 5 号 p. 597-608
我々は胃X線検診における検査困難例の実態と課題を明らかにするため, 熊本県内の検診施設にアンケート調査を実施した。胃X線検査の検査困難例の頻度とその内容は施設によって様々であり, 検診現場の放射線技師が安全に配慮し工夫しながら検査を完遂している実態が窺えた。全施設が検査困難例や中止例における内視鏡検査への誘導が必要と認識しており, 80%の施設が内視鏡へ誘導する基準やシステム構築が必要と回答した。受け皿となる対策型内視鏡検診の普及と周知も重要な課題と考えられた。